第3回生
中尾建設工業株式会社
(ナカオホーム)
代表取締役社長
中尾 研次さん
校訓『達』に学ぶ
先日、久しぶりに安城東高校へ行きました。並木道を抜け赤いレンガの校門をくぐると、かつての思い出が鮮明に蘇ります。
当時、私たち三回生は“全国屈指の進学校をつくる”高い志に燃えた初代坪田校長先生をはじめ、諸先生方の情熱に必死に付いていきました。校風はとても厳しく、マイペースの私にはトホホ…でしたが、文武両道の校訓『達』には凛とした一貫性がありました。物事に対して甘い自分を厳しく躾けていただいた想いです。人の情熱と高い志の尊さが、やっと今頃見えてきました。
『ビジョン』を掲げる先生、テニス部顧問の加藤先生との出会いは衝撃的でした。「俺がインターハイに連れて行ってやる!」と言い切った時には、この人大丈夫か?と本気で思いましたが、実際にテニス部はみるみる強くなり、後輩は全国屈指のレベルに成長しました。加藤先生は、人を褒めて伸ばすというよりは、人に光を当てて輝かせる人でした。短所は個性。そこを無理矢理直すよりも長所を誰にも負けない強みに伸ばしていく。ビジョンを描き、自分らしさを大切にしたご指導は、どんなに厳しい練習も、むしろ楽しいと思えたくらいです。その『長所伸展』の教えは、今の自分の経営の中心に生かされています。加藤先生との交流は今でも続き、毎年安城七夕まつりの日にOB会としてお会いする機会をいただいています。人生の恩師を得られたことは、私の誇りです。
卒業して36年が経ち、今の自分に「どんな生き方をしてきたか?」と問うと、うまく行っているとかは分かりませんが、とにかく全力で一生懸命生きてきました。そこには校訓『達』が心の支えとして、私の血となり肉となり、ビジネスをはじめ、今の自分を形作っているのだと思います。
安城東高校の校訓『達』に感謝です。
2017/07/11