第2回生
安城市教育長
石川 良一さん
「人」を「ご縁」を大切にしたい
この度ご縁をいただき、4月に安城市教育長に就任いたしました。多くの人の尽力によって築き上げ、支えられてきた安城市の教育行政に携わらせていただくことになり、身の引き締まる思いで日々を過ごしています。
就任早々から、市の行政をはじめ多くの関係機関、部署で活躍されている東高同窓生の皆様からお声がけをいただき、今更ながら同窓会のありがたさを痛感しました。初めて出席する会の席上、かつて同じ校舎で時を過ごした2回生の顔を見つけただけでほっとしている自分に気づきました。「教育長、東高2回生ですよね。私〇回生です。」と言われるだけで、旧知の間柄のような気持ちになれることも知りました。まもなく還暦を迎える私には、今までに出会っていた人たちと、再び出会い直しをしているような、不思議な感覚を味わっています。これが「縁」というものなのでしょうか。
さて、現在コロナ禍で世界中が右往左往しています。子どもたちが将来、今の時代を振り返ったとき、暗く俯いていた記憶しかないということではいけません。互いの命や健康を脅かさぬように、とはいっても神経質になりすぎず、皆が気持ちよく過ごせるようになるためにはどうしたらよいのか。正解のない問題に対して、大人・子どもの区別なく、対話を通して知恵を出し合い、行動に移し、日々暮らしを見直していくというリアルな学びの機会が生まれています。
大人は今こそ望ましい対話のモデルを示したい。自分の持つ結論を納得させるために言葉をぶつけ合うだけの大人の姿は、子どもを小さくします。「皆が気持ちいい」という最終目的の達成に向け、互いの言葉に耳を傾け合う姿、言葉を紡ぎ合う姿を示してほしいと願います。
人を大切にする安城教育から、縁が生まれ、世代を超えた人のつながりによって明るい未来が築かれていくこと、そして、安城東高校がこれまでの歴史とともに築かれてきた人のつながりを力にますます発展されることを祈念しております。
2021/07/29