創立50周年前後の挑戦と継承
いよいよ来年に迫った安城東高校創立50周年記念事業は、現在実行委員会を通して順調に進んでいます。令和7年10月31日(金)に安城市民会館で記念式典を開催するとともに、講演会、音楽演奏会、記念誌などの準備を現在進めています。安城東高校は、一人一人の同窓生によって紡ぎ上げられた伝統や校風や学校DNAとともに、新たな挑戦と改革を行いながら、次の半世紀に向かいます。
さて、今年の正月に起きた能登半島地震は、時と場所を選んでくれない自然災害によって、人間の日常生活があっという間に暗転してしまう怖さとともに、南海トラフ地震の危険地帯である愛知県の住民にとって、決して他人事ではない現実を改めて知らされました。多くの方がご承知の通り、石川県輪島市と本校には40年以上に渡る関係があります。昔、石川県輪島市白米町千枚田地区の棚田は、後継者不足で荒れ果てていましたが、昭和57年から平成3年までの10年間、安城東校は修学旅行で輪島市を訪れ、千枚田で草刈り奉仕を続けました。それがきっかけとなり、輪島市でもこの地区の保全運動が始まって、千枚田は往時の姿を取り戻すとともに、2011年には世界農業遺産に登録されるまでになりました。その後、本校同窓生と輪島市の関係者で「わじま・あんじょう友の会」が発足し、交流を続けながら、現在はその活動を同窓会に移管しています。その詳細は、本校同窓会HPで御覧下さい。
そのような歴史を背景にして、去る1月22日(月)に本校同窓会11回生が中心となり、輪島市へ向けて支援物資を4トントラックで送りました。また、本校在校生と保護者のみなさんと職員も、生徒会が中心となって、校内で募金活動を行いました。その様子は中日新聞や西三河のケーブルテレビでも報道されました。また、本校HPに掲載するとともに、昨年度の同窓会入会式で卒業生に、3学期終業式で現2・3年生に、今年度の防災避難訓練では新1年生にも話しました。安城東高校の先輩方が残したボランティアスピリッツや、370kmと43年を隔てた人と人の繋がり、防災意識などを在校生にも理解してもらい、安城東高校の伝統・校風・DNAの一部に取り込みながら、次の半世紀へ繋げてほしかったからです。
なお、輪島市などの被災地の多くは、いまだに町並みが被災直後のままであり、千枚田地区の棚田も亀裂が走り、復興まで時間がかかるそうです。さらに現地の道の駅ポケットパークに建てられていた「安城東高等学校草刈十周年記念石碑」も倒れたままの状態だそうです(R6年5月現在)。全ての被災地において、1日も早く復興の光が満ち溢れ、千枚田地区が復興の象徴の一つとなることを願ってやみません。
さて、前述の通り、本校は来年度に創立50周年を迎えます。それに向けて本校は現在、さまざまな挑戦や改革を行っている最中ですが、それと同時にスローガンを昨年から作っています。昨年度のスローガンは「安城東の大いなる挑戦!~それは青春応援団」でした。この言葉には、生徒一人一人の自主的な挑戦を奨励し、安城東高校に関わる全ての人がお互いの応援団になろう、という意味が込められていることは、昨年の同窓会報でもお伝えしました。
そして今年のスローガンは、「安城東の大いなる挑戦!~1人1人が代表選手!東高は青春選手村!」です。その意図は、生徒1人1人が安城東高校の歴史を作るかけがえのない代表選手であり、また自分の人生における代表選手でもあります。東校は代表選手をサポートする選手村的存在です。昨年度のスローガンは、応援という、友達や自分を外から応援する客体的立場からの視点でしたが、オリンピックイヤーの今年は、視点を主体的立場の視点に発展させ、自分は代表選手だという自覚をもって、自ら考えて行動する自主的な意識をもとうという願いが込められています。
同窓会のみなさんも安城東高校青春選手村の一員です。青春選手村の中の青春応援団として、今年度も安城東高校へのご理解とご支援を引き続き賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。