第2回生
神杉酒造株式会社
代表取締役社長
杉本 多起哉さん
安城市内唯一の日本酒蔵『神杉』
2回生の杉本です。今回同窓会報に寄稿できること大変ありがたく存じます。私は現在17代目として安城市内唯一の日本酒蔵『神杉』を営んでおります。創業は文化2年(1805年)。名称は、醸造の神様として信仰を厚くしておりました奈良県桜井市三輪町に在る大神神社(三輪神社)の御神木「巳の神杉」より拝名しております。弊社の酒造りは、食の安心・安全をモット-に主原料である酒米をほぼ100%安城市内の米農家に依頼し、矢作川伏流水(弊社の地下水)のみを使用し醸し出しています。日本酒の約80%強が水ですので、酒造りに適した水が重要です。良質かつ潤沢なこの水が弊社の財産です。次に重要なのが原料米です。米農家が手塩にかけて育てた大切な米。その一粒一粒を無駄にせず、おいしい日本酒に仕上げることが使命だと思っております。しかしながら米質の良し悪しは毎年天候の影響に左右され、その米質によって日本酒製造工程もアレンジが必要です。その年の原料米の質を見極め、多くの醸造行程の中、ひとつたりとも妥協せず商品造りを行っております。そんな環境下での弊社の商品造りの最大の特徴は、原料米を限定し(2種類)その限られた条件で商品ごとの特徴を酒質に表すことです。米は玄米では使用しません。玄米を磨き上げ(精米)、磨く割合を変え(35%~70%)あらかじめ設計した酒質に成るよう醸します。万人向けの商品造りでなく、ターゲットは限られますが特徴を主張する商品のラインナップをめざしています。どれか一つはお客様に気に入られる商品があると思います。そんな思いで商品(作品)造りをしています。日本の國酒『日本酒』は、さまざまな料理とも相性が良く相乗効果で食事が充実したものになります。他のアルコール飲料も魅力的ですが、是非アナタに合う日本酒を探していただけると幸いです。
最後になりましたが、在学当時『安城東農林高等学校』的な実習をいろいろ体験いたしました。30数年過ぎた今となって、ものづくりに携わる仕事に大変役立ってると思います。ありがとうございました。
2017/07/11